魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】
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- ¥730
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発行者による作品情報
日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ。「加菜子を――死なせはしません」。被害者の姉はきっぱりと言った。その言葉が刑事・木場修太郎を異形の研究所へと導く。中央線武蔵小金井駅で発生した美少女転落事故と連続バラバラ殺人事件に接点はあるのか? 研究所長の美馬坂とは何者か? 深まる謎をよそに加菜子は衆人環視のなか忽然と姿を消した! 百鬼夜行シリーズ第2作。
APPLE BOOKSのレビュー
妖怪や怪奇現象をテーマにした独特の作風で知られる推理作家・京極夏彦の「百鬼夜行」シリーズにおける代表作品であり、「姑獲鳥の夏」に続く「魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】」。1952年の夏、中央線の駅のホームで発生した人身事故は、同時期に発生していた奇妙な連続殺人事件と結びつき、主人公・京極堂をはじめさまざまな人物が謎の解明に乗り出す。誘拐、殺人といったミステリー要素に織り交ぜられる、京極作品独自のエッセンスである憑き物などのオカルト的なモチーフ、旧仮名遣いを用いた古風な文体、さらに戦後間もない時代の日本情緒を醸し出す描写の数々が本作の大きな魅力。作中、京極堂によって披露される陰陽道、宗教、霊能力などの超常現象の膨大なうんちくの数々も、読者を引き込む濃密な世界観を形成している。刊行から10年以上たって映画化もされた根強い人気を誇る作品。