ダブルマザー
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4.0 • 3件の評価
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- ¥1,800
発行者による作品情報
飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。
なぜか、母親を名乗る女性が二人現れて。
二人の母親が、娘の死の真相に迫る衝撃のミステリー!
うだるような真夏日、ひとりの女性が駅のホームに飛び込んだ。そこに、なぜか母親を名乗る二人の女性が現れる。
性格も家庭環境も全く異なる二人の共通点はただひとつ。娘のことを何も知らない。
死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘はどこにいるのか。二人の母親は、娘たちの軌跡を辿り始める。
APPLE BOOKSのレビュー
衝撃的なストーリーの畳み掛けの末に、親子や家族のあるべき姿の脆(もろ)さを考えさせられるミステリー作。ホームから電車に飛び込み、自ら命を絶った一人の女性。娘の突然の死を現実として受け入れられない父母の前に現れたのは、もう一人の母親を名乗る女性だった。性格も、暮らしぶりも、何もかも違う2人の母親は当初反発し合うが、それでも共に娘の生きた軌跡をたどり始めることになる。そこで明らかになるのは、2人は母親を名乗りながらも自分の娘のことを何も知らない、ということ。そして彼女たちは娘がある方法によって我が身を偽り、二重生活を送っていることを知る。そんな偽装方法で「母親が本物の娘と偽物の娘を取り違えることはあるのだろうか」という読者の疑問は、いつしか母親が見ていた“本物”の娘の姿は「そうあってほしい、と押し付けていた願望の姿にすぎなかったのではないか」という別の疑問へと移り変わっていく。幾つもの“ありえない”を巧みに紡ぎ合わせていく気鋭のミステリー作家、辻堂ゆめの筆に導かれ、たどり着いた結末の苦味と重みはしばらく後を引くだろう。