禁忌の子
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4.3 • 68件の評価
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- ¥1,800
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発行者による作品情報
【第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作】【デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!】救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。/第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩
APPLE BOOKSのレビュー
自分と同じ顔をした人間の死を目の当たりにした医師が、パンドラの箱を開けてしまう医療ミステリー『禁忌の子』。兵庫市民病院で救急外科医として働く武田航は、溺水で発見された心肺停止の男の搬送受け入れを担当する。しかし、そこに横たわっていたのは顔も体つきも自分とうり二つの男だった。兄弟のいない自分とその見知らぬ男にどんな関係があるのか。気になった武田は同級生であり、病院内の問題をすんなり解決してくれるといううわさの消化器内科医師、城崎に相談することに。城崎と共に自分の戸籍や過去にまつわる母の遺品を調べるうちに、母子手帳のある記載に違和感を覚える…。ある社会問題を取り上げながら、ひもとく先に見えてくる衝撃の物語。命を巡るミステリーの先に何があるのか。現役の医師として働く作家だからこそ描ける医療現場の臨場感やリアルさが、さらに物語の世界へと引き込んでくれる。冷静に論理を組み立て、推理する探偵役の城崎のキャラクターが魅力的で、シリーズ展開を望まずにはいられない。
カスタマーレビュー
求めていた小説ではなかった、でも
小説によって言語化や文章としての表現方法のおもしろさを感じたかったので、その点では満足するものではなかったけど普通に興味深く真相を知っていくのは楽しかった。
表面的なものだけ見て、自分の倫理観だけを信じると近親相姦で生まれた子供には眉をしかめてしまうし、殺人も犯しているけれど、この夫婦は被害者側だし運命のいたずらでもあった結果なのでこのまま何事もなく幸せに暮らして欲しいと思う。
また子供を産めない夫婦の気持ち云々より、生まれてくる子供の人権がないという話は寝耳に水だった。幸せに過ごせる子供もいるだろうけど、きっとリスクの方が高いんだろう。
この本の前に読んだのが52ヘルツのクジラたちだったこともあるが、親子関係、子の幸せは血の繋がりや裕福かどうかなどはそこまで重要ではなく、元より虐待などはもってのほかで、どれだけ育てた親に真っ当に愛して貰えたかが最重要なんだと、心から思った。