NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク
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4.5 • 19件の評価
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- ¥2,200
発行者による作品情報
『サピエンス全史』を超える衝撃――
知の巨人、6年ぶりの書き下ろし超大作
「ネクサス」(NEXUS)とは?
――「つながり」「結びつき」「絆」「中心」「中枢」などの意
石器時代からシリコン時代まで、
「組織」(ネットワーク)が力をもたらす
私たち「賢いヒト」(ホモ・サピエンス)は、10万年に及ぶ発明や発見や偉業を経て、途方もない力を身につけた。
それにもかかわらず、生態系の崩壊や世界戦争など、存亡にかかわる数々の危機に直面している。
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サピエンスが真に賢いのなら、なぜこれほど自滅的なことをするのか?
その答えは、制御しきれないほどの力を生み出す、大規模な協力のネットワーク――「情報ネットワーク」――の歴史にある。
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印刷術やマスメディアは文明に何をもたらしたのか?
そして、まったく新しい情報テクノロジーであるAIは、何を変えるのか?――
石器時代からシリコン時代まで、『サピエンス全史』の著者が、人類の歴史をいま再び新たに語りなおす!
情報により発展を遂げた人類は、情報により没落する宿命なのか。本書のAI論は、混迷する世界で民主主義を守るための羅針盤になるだろう。
――斎藤幸平氏(経済思想家・『人新世の「資本論」』著者)
その深い洞察は、私たちが著書『PLURALITY』で提唱する多元的な共創の原理とも響き合い、進化するデジタル時代で人々を導く羅針盤となる。
――オードリー・タン氏(台湾・初代デジタル発展相)
APPLE BOOKSのレビュー
『サピエンス全史』が世界的ベストセラーとなったイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリが情報テクノロジーの変遷をテーマに人類の過去と未来を縦横無尽に語る超大作。人類は情報を基に、宗教や国家、貨幣という物語(共同主観的現実)を共有してつながり、地球の覇者となった。だが、情報は必ずしも真実ではない。より多くの情報がより多くの人に届けば、誰もが真実を知り、相互理解が深まるという素朴な見方に著者は異を唱える。印刷革命は科学的発見を導くと同時に根拠のない魔女狩りを起こし、マスメディアは民主主義だけでなく全体主義体制にも利用され、ナチズムや帝国主義を招いた。情報の氾濫が単純なポピュリズムの台頭を促す中、登場したAIはさらに恐ろしい。SNSアルゴリズムがミャンマーで憎悪に満ちた投稿を拡散し、少数民族の虐殺につながったのは、端緒に過ぎないという。AIは単なる道具ではなく、独自に意思決定を行う行為主体であり、人工(Artificial)というより人間とは全く異質(Alien)な知能(Intelligence)と著者は警告する。本書は情報社会に生きる現代人にとって必読の知的ガイドといえるだろう。