人間失格
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発行者による作品情報
主人公である「自分」は人と違う感覚を持っており、それゆえに他人とまともに会話が出来ない。周囲の人々に対する恐怖を道化を演じることでごまかしてきた。それにより、尊敬される、ということなるが、今度は、道化が見破られるのではないかという恐怖を感じるようになる…。そして道化は「或るひとりの全知全能の者に見破られる」という事件が起きる。「人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました」というところまで葉蔵の人生は流れていく…。この作品は主人公である葉蔵の手記という形で構成されています。主人公の語る過去には太宰自身の人生を彷彿とさせるところもあり、『人間失格』は、太宰の自伝的な小説であるとみなされています。太宰治の魂の告白をオーディオブックでお楽しみください! ※本作品は発表時の未熟な時代背景から、今日の社会では一般的でなく、不適切と思われる表現が含まれている箇所がございます。しかし作品のオリジナル性を最大限に尊重し、なるべく当時のまま忠実に再現することを優先いたしました。(C)2008青空文庫
カスタマーレビュー
最強の名コピーライター
まず誰もがタイトルに引き寄せられるのではないか?
太宰とは即ち、名短編作家であり、名コピーライターだった。古今東西の名文句、名文をサンプリングし短い言葉で、世間の欺瞞、偽善をストレートに撃ち抜く。
で、この人間失格の作品そのものは、太宰らしいサービスが失われ、終始一貫、見たいような見たくないような世界が、これでもかとばかりに渦巻いている。
気が滅入ってよかったです。
自分にどこか似たような部分があるような気がするので、久しぶりに読んで(聴いて?)、気が滅入って最高でした。仕事帰りに聞いていると、電車に乗ったままどこか遠くへ行ってしまいそうになります。