こわれた腕環 ゲド戦記2
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4.2 • 15件の評価
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- ¥850
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発行者による作品情報
魔法使いのゲドが〈影〉と戦ってから数年後、アースシーの世界では島々の間に紛争が絶えない。ゲドは平和をもたらす力をもつという腕環を求めて、アースシーの東、アチュアンの墓所へゆく。墓所を守る大巫女アルハは、幼い頃より闇の者たちに仕えてきたが、ゲドとの出会いによって、自らの世界に疑問を抱きはじめる……。
カスタマーレビュー
Uke Camper
、
こわれた腕環が「定められた運命」と「未知の自由」を繋ぐSFファンタジー
ゲド戦記「影との戦い」に続く、全6巻における第2巻。
舞台は前巻の壮大な世界アースシーとはうってかわって、卑小ながらも絶対的な世界観をもつ、暗く静寂なアチュアンの墓所に移す。
本編主人公とも言える、墓所の大巫女の転生者として選ばれた少女アルハは、盲目的な信仰が支配する世界を自身の定められた運命として受け入れ物語が進む。
物語中盤に突如現れた異端ともいえる竜王ゲドとの出会いが、それまでのアルハの価値観を揺るがし人生の選択を迫る物語。
「定められた運命」として勝手知ったる世界と、「未知の自由」故の希望と不安に満ちた世界は、私たちの人生における選択そのものとも言える。
導く者がいながらも、結局はどうしたいか・どうするべきかは自身の判断に委ねられているという人生そのものを、アルハとゲドを通して再認識させてくれるように思います。