すべて忘れてしまうから
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発行者による作品情報
ベストセラーになった『ボクたちはみんな大人になれなかった』の 燃え殻による、待望の第2作!
ほぼ忘れてしまった出来事だらけで、文章の途中で立ち止まってしまった。やっぱり書いておいてよかった。あの夜、編集のTさんに無理やり誘ってもらってよかった。だって良いことも悪いことも、そのうち僕たちはすべて忘れてしまうから。―――――本書より
いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場――。
ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる「断片的回顧録」。
装画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家、長尾謙一郎