つるかめ助産院
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- ¥440
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発行者による作品情報
夫が姿を消して傷心のまりあは、一人訪れた南の島で助産院長の鶴田亀子と出会い、予想外の妊娠を告げられる。家族の愛を知らずに育った彼女は新しい命を身ごもったことに戸惑うが、助産院で働くベトナム人のパクチー嬢や産婆のエミリー、旅人のサミーや妊婦の艶子さんなど、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれ、少しずつ孤独だった過去と向き合うようになり――。命の誕生と再生の物語。
APPLE BOOKSのレビュー
心傷ついた女性の再生を、ふんわりと柔らかな文体で表現したデビュー作『食堂かたつむり』が、80万部を超えるベストセラーとなった小川糸。4作目の『つるかめ助産院』では、デビュー作の“失恋しても、人は生きて食べる”というメッセージとシズル感たっぷりの食事シーンはそのままに、予想外の妊娠と出産に挑む主人公の心の旅へといざなう。突然、蒸発した夫を探しに、まりあは2人の思い出の地である南の島を訪れた。旅先で体調を崩した彼女に妊娠を告げたのは、島の助産師、鶴田亀子先生だった。まりあは不幸な生い立ちに悩むことで頭がいっぱいで、自分の心と体を大切にすることは頭からすっぽり抜け落ちていた。そんな危険信号を察知した先生は、事実を受け止めきれない旅人のまりあをお昼ご飯に誘う。島で採れたばかりの旬の素材を使った栄養満点の食事と、初めての人も受け入れる助産院スタッフの温かさが生き生きと描かれ、読んでいる側までもが癒やされていく。ほんわかした人々のエピソード集から立ち上がるのは、傷を抱えていない人なんていないという事実。過去と向き合い、今を生きようと歩き出したまりあに、“母は強し”という言葉がよく似合う。
カスタマーレビュー
読み返したくなる本
島の暮らしを肌で感じられる表現力の高さと、魅力的なキャラクターをサラリと描く小川糸さんの作品。あとを引く心地よい世界。
何度読んでも
私は妊娠したことも、することもないですが、何回も読み返しては命の素晴らしさに気付かされます。
人との出会い、絆を大切にしていこうと思います。
感動
感動した。