イン・ザ・メガチャーチ
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4.4 • 65件の評価
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- ¥2,200
発行者による作品情報
☆2026年本屋大賞受賞☆
【第9回未来屋小説大賞】
【第2回あの本、読みました?大賞】
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
APPLE BOOKSのレビュー
「神のいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いい」。とある登場人物がそう嘯(うそぶ)くように、朝井リョウの本作は“推し活”という宗教化した“物語”に翻弄(ほんろう)される人々の物語だ。アイドルの運営として物語を売ることに、孤独な人生の反転のチャンスを見いだす久保田。推しのアイドルにすべてをささげ、物語を買い続けることで生きる意味を得る澄香。推しの俳優の死をきっかけに物語を失い、別の救い=陰謀論にハマっていく絢子。ファンダムの中で搾取する者とされる者の違いはあれど、3人の主人公がそれぞれの物語に縋(すが)って生きていることに違いはない。彼らは熱狂する。何かを盲信する危うさを知りながらも、目を背けるように。自身の心の空洞に、必死に叫び声を反響させるように。そんな本作から見えてくるのは、あらゆるものがあるのに、確かなものがない時代に生きる不安、暴力的なまでの情報の氾濫を前にして、アルゴリズムが提示する正解で切り抜けるしかない虚しさを知る、私たちの心象風景だ。物語に縋り続ける久保田たちを待ち受ける結末は過酷だ。しかし、朝井リョウは彼らを断罪しない。推し活の姿を借りて描かれた彼らの“信じたい”という切実な願いを尊重する。神なき国の信仰。それは現代日本に生きる私たちの心に、無自覚に宿っているものなのかもしれない。
カスタマーレビュー
真実すぎて
何が正しいのかわからなくなった