



スモールワールズ
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4.2 • 15件の評価
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- ¥850
発行者による作品情報
2022年本屋大賞第3位
第43回吉川英治文学新人賞受賞!
共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。
夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。吉川英治文学新人賞受賞、珠玉の短編集。
ままならない、けれど愛おしい
「小さな世界」たち。
APPLE BOOKSのレビュー
誰かの愛おしくも狂おしく、切ない日々の断片を切り取った、一穂ミチの連作短編集『スモールワールズ』。不妊治療を続ける30代の女性と中学生の少年の出会いをコンビニの光が照らす「ネオンテトラ」、秘密を抱えて実家に帰ってきた姉と弟の夏の話「魔王の帰還」、孫を亡くした祖母と娘家族の記録「ピクニック」、兄を殺して刑務所に入った男と文通する「花うた」、トランスジェンダーの娘と再会した中年の父親が、つかの間の親子の日々を過ごす「愛を適量」など6編を収録し、どれも少しだけ優しく、それなのに心に引っかき傷を残す。文体も人称も物語ごとに異なるが、どことなく共通してゆったりとした空気が流れ、目に浮かぶ景色は美しい。一人一人の小さな世界である“スモールワールズ”には人間の数だけ喜怒哀楽があり、人には言えない壮絶なドラマがある。誰かの日常をのぞいているような、それでいて我が事のように思えてしまうようなリアリティがあり、不思議な読後感を残す珠玉の作品。
カスタマーレビュー
めっとおおおお
、
いい意味で裏切られる
・それぞれの小さな世界の登場人物の人間性、複雑な背景に感情移入せずにはいられない。
・感情移入するあまり、読んでいて登場人物に憤りを感じる場面も。あまりにも人間らしい弱さが巧みな文章で表現されている。