ブックキーパー 脳男(上)
-
-
4.7 • 7件の評価
-
-
- ¥1,000
-
- ¥1,000
発行者による作品情報
乱歩賞史上最強のダークヒーローが帰ってきた!
驚異的な知能を持ちながら「心」のない男と、警察庁の華麗なるエリート警視が頭脳対決!
警視庁で開発中の異常犯罪データベースによって遠く離れた場所で相次いだ3件の殺人事件にはすべて拷問の痕があると判明し、続いて愛宕市でも氷室財閥当主が犠牲者に。異常犯罪のエキスパートとして現地に急行した警察庁の若き女性警視・鵜飼縣は茶屋警部を従えて捜査にあたる。一方、同市の鞍掛署は秘かに謎の老人の行方を追っていたが、発見した途端に鈴木一郎=脳男が現れて妨害する。鞍掛署にはまた署をあげての交通事故隠蔽疑惑があり、真相を探ろうとした茶屋のかつての部下が殺される……。
鍵を握る「ブックキーパー」とは何者か? 残虐な連続殺人事件の真相とは? そして神出鬼没の脳男=鈴木一郎が戻ってきた理由とは?
乱歩賞受賞最大の問題作「脳男」シリーズがさらにパワーアップして登場。総勢60名以上の人物を見事に描き分け、テンポよく切り替わる場面に目が離せない、エンタメの王道を行く超弩級サスペンス巨編。
APPLE BOOKSのレビュー
人間らしい心はないが驚異的な知能を持つ“脳男”こと鈴木一郎が暗躍する『脳男』シリーズの3作目。警視庁本部で異常犯罪のデータベースを作っていた元ハッカーの桜端道(さくらばなとおる)は、遠く離れた場所で起きた三つの拷問殺人にある共通点を見いだす。同室で働く女性エリート警視、鵜飼縣(うかいあがた)と共に、データベース上のさまざまな情報から同一犯だと確信する。一方、愛宕(おたぎ)市にある豪邸、氷室家の地下室で主人である氷室賢一郎とボディガード2人の他殺遺体が見つかる。捜査に当たろうとした茶屋警部の前に、これは連続殺人だと言う縣が現れ…。新たな登場人物である縣を中心に、道や茶屋警部がメインとなり捜査を行う本作。もちろん、鈴木一郎の静かなる暗躍も見逃せない。ページのボリュームと登場人物の多さに圧倒されるが、テンポのいい展開と緻密な推理にぐいぐい引き込まれ、気付けば脳男の世界にどっぷりつかっているはず。