光のとこにいてね
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- ¥1,900
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発行者による作品情報
『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作
たった1人の、運命に出会った
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語
APPLE BOOKSのレビュー
いびつな家族をテーマにした短編集『スモールワールズ』で話題をさらった一穂ミチが、四半世紀にも及ぶ、ある2人の女の子たちが繰り返すはかない出会いを描いた感動作。私立小学校に通う7歳の結珠(ゆず)は、ある日母親に無理やり連れてこられた郊外の団地で果遠(かのん)と名乗る少女と出会う。性格も、住む場所も、食べるものも、家庭環境も、何から何まで異なり、本来なら交わることのなかった2人は秘密の友達になるが、やがてその運命を修正するかのように唐突な別れがやってくる。この本で描かれているのは女の子同士の恋愛、ということになるのかもしれないが、これは純愛とかそんな生易しい言葉で片付けられる種類の話ではない。文中で繰り返し用いられる、タイトルにもなった「光のとこにいてね」というせりふ。これは相手が幸せであることを祈る気持ちの表れだろう。エロス(情欲的な愛)でもアガペ(無償の愛)でもなく、フィリア(深い友情)の先を行くような、名前の付けられない2人の感情はどこへ向かうのだろうか。読了後、うまく言葉に表せないような余韻が胸に残る、印象深い物語だ。
カスタマーレビュー
とても素晴らしい
途中何度も胸が苦しくなるが、強いつながりがあって。