月の満ち欠け
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3.9 • 104件の評価
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- ¥950
発行者による作品情報
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる──目の前にいる,この七歳の娘が,いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は,戦慄と落涙,衝撃のラストへ.
APPLE BOOKSのレビュー
転生を題材に、ある一人の女性がたどった数奇な愛の行方を描き、第157回直木賞を受賞した『月の満ち欠け』。主人公の小山内堅(おさないつよし)は、自分は平凡で幸せな人生を送っていると思っていた。7歳になった娘、瑠璃が発熱するまでは。熱が収まってから突如大人びた様子を見せるようになった瑠璃は、ぬいぐるみになぜかアキラくんという名前を付け、聞かせたこともない懐メロを歌い、家出を繰り返すようになる。困惑した小山内は高校を卒業するまでの11年間、一人で遠出しないという約束を瑠璃と交わすが、その約束の年に瑠璃と妻が亡くなってしまう。やがて時が経ち、小山内の前に瑠璃の生まれ変わりの「るり」だと名乗る少女が現れる。この物語は転生者が主人公ではなく、転生者の親という立場から物語が描かれている。自称、瑠璃の語る、転生に至るようになったきっかけ、そして目的。娘とはいえ、今は他人のるり。少女の言葉に、どこか納得しつつも小山内は受け入れられないでいた。転生という事象から距離を取っていたはずの彼がラスト、その秘密を完全に自分のこととして捉えるようになるまでの、緻密に組み立てられた物語に圧倒される。
カスタマーレビュー
信じたい
佐世保出身である興味から読みました。
こんなふうにはっきりとではなくとも私も前世の記憶があります。そのことを再確認できた小説でした。
不思議な話です
途中胸詰まるような場面もありますが全体としてとても不思議な話です。
二度目ならまだしも
瑠璃に会うために二度目の解雇。
月の満ち欠けのように何度も現れないで欲しい。