



江戸の大名 人物列伝
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3.4 • 8件の評価
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
藩祖としてたたえられた英雄、遊女に走って隠居させられた大名、経営をそっちのけで趣味に明け暮れた大名…。それぞれの人は様々な生き様を見せている。江戸時代の86人の大名を取り上げ、その人のエピソードを中心に紹介。
APPLE BOOKSのレビュー
徳川260年の歴史を支えた大名86人を紹介した人物列伝。幕藩体制の中で自治権を与えられながら、参勤交代を課せられ、幕府の意向で簡単に改易や減封、転封の危機にさらされてきた大名たち。戦国大名としての独立の気概を残す藩祖から、困窮する藩財政を建て直した名君、泰平の世で趣味に生きた文化人大名、遊女に入れあげ家臣たちから総スカンを食った暗君や暴君、幕末に発想の転換を迫られた藩主などがテーマごとに章分けされている。1人当たりの紹介は短いながらも、個々の人間的魅力を的確に描き出している。有名な大名も多いが、無名大名の知られざるエピソードに触れられるのが新鮮。現在でいえば企業経営者や地方自治体の知事に相当する大名だが、個人の資質が藩の命運まで左右する構図は、現代の組織運営を考える上でも参考になるだろう。実際に都知事のブレーンとして地方自治に参画した実績を持ち、歴史小説からノンフィクションまで手掛ける著者ならではの幅広い知識とユーモアセンスが光る。