法廷遊戯
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- ¥880
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発行者による作品情報
第62回メフィスト賞受賞!
法廷を舞台にした、衝撃と感動の傑作ミステリー
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。
二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。
清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。
真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
APPLE BOOKSのレビュー
弁護士を目指す現役の司法修習生でありながら、一足先に小説家デビューを果たした、五十嵐律人。暗い過去を克服するために法律家を目指す若者たちの青春に、緻密な理論で構成された法廷ミステリーを織り交ぜた本作は、RPGのような設定と展開で、デビュー作とは思えない高い完成度に。堅苦しい専門用語の羅列や用語解説は避け、読みやすさに徹した文章からは、法律の面白さと法の下の正義を伝えたいと願う作家の熱意が感じられる。少年時代の過ちから法律の世界に目覚めた清義と、同じ児童養護施設出身の美鈴。暗い過去を隠してロースクールに進学した2人は、司法試験が近づいたある日、怪文書で忌むべき秘密を暴露されてしまう。誰が、なぜ、どんな目的で? うろたえた2人は校内成績トップの馨と真相を探り始めるが、謎の人物は2人の想像を超える嫌がらせを仕掛けてきた。確かな法律の知識に裏打ちされた謎解きは、波乱の連続。そして、物語の全編で匂わせる違和感にもきっちりと決着をつける。苦く、しかし、すがすがしいラストにほれぼれする。