



海の見える理髪店
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3.8 • 67件の評価
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- ¥600
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発行者による作品情報
主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族の小説集。第155回直木賞受賞作。
APPLE BOOKSのレビュー
第155回(2016年上半期)直木賞受賞作。海辺の小さな町にある評判の良い理髪店を舞台に、年老いた店主が若い男性客に対して、驚くような問わず語りをする表題作をはじめ、人間の機微を描く6編を収録。いつも自分の価値観を押し付けてきた母親の老いと直面する「いつか来た道」。頑固で見えっ張りだった父親の遺品である腕時計を通して過去に思いをはせる「時のない時計」。夫婦が事故で亡くした娘の成人式に替え玉として出席することを思い付く「成人式」。登場人物たちは皆、心にずしりと重いものを抱え、人生の岐路に立っている。けれど筆致は重苦しくならず、人が生きている中で多かれ少なかれ経験する痛みを気負いなく語っていく。小学生の少女や、老年期に差し掛かった男性など主人公の年代は幅広く、それぞれの切実な思いが、その年代にふさわしい語り口で描かれる。その自然な筆致に、コピーライターを経て作家になった著者らしい鋭い時代感覚が見て取れる。
カスタマーレビュー
オリコう。
、
オムニバスだけれど
一つ一つの物語は短いけれど、その短い中にいい話しが詰まっていました
お正月の福袋の様な感覚で読めました
家族の物語は悲しい流れでも最後にホッとさせられると読んで良かったと思えます