点と線
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- ¥380
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発行者による作品情報
ミステリ好きなら名前を知らぬ人がない名作です。舞台は昭和三十年代。福岡市香椎の岩だらけの海岸で寄り添う死体が見つかったのは、汚職事件渦中にある某省課長補佐と料亭の女中。青酸カリ入りのジュース瓶がのこされ、警察ではありふれた心中事件と考えた。しかし、何かがおかしい──と福岡の老警官と東京のヒラ刑事は疑問を抱く。うたがわしい政商は事件当時、鉄道で北海道旅行中。そのアリバイは鉄壁だった──時刻表トリックの古典にして、今も瑞々しい傑作ミステリ。
APPLE BOOKSのレビュー
数々のベストセラーを生み出し、推理小説や歴史小説からノンフィクションまで幅広い作家活動で戦後の昭和を代表する作家として知られる、松本清張の「点と線」。九州で発見された男女の遺体に疑問を感じた2人の刑事が、独自に調査を進めるうちに合流し、全国を舞台にした壮大な事件に挑む。時刻表を用いた巧妙な仕掛け、実在の列車や駅が登場する旅情あふれる雰囲気、そして汚職事件などの社会問題を取り入れた重厚な物語設定など、数々の魅力的な要素が詰まった作品。パズルのように緻密に組まれた謎を、足を使い、旅客車名簿を調べ、関係者に話を聞き、地道な調査から核心に近づいていく過程には息をのむほどの緊迫感とスリルがあり、すべてが解明される結末では大きな充足感を味わうことができる。電報や列車食堂の存在、時刻表など、昭和30年代の日本らしい風景を感じさせる描写は味わい深く、一方で考え尽くされた職人技のトリックは時代を超えても色あせることのない光を放っている。
カスタマーレビュー
まとも
、
やはり松本文学はいい
他も読みたくなる