



蝉しぐれ
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4.2 • 120件の評価
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- ¥740
発行者による作品情報
舞台は東北の小藩、海坂(うなさか)藩である。ある朝、小川のほとりで蛇に咬まれた隣家の娘を少年が救う場面から、この物語ははじまる。清流と木立に囲まれた、静かな城下組屋敷。少年の日の淡い恋と友情。そして突然の、父の非業の死。微禄の武士となった青年は、ふりかかる悲運と闘い、父の仇を討つべく、己を鍛えつづける。いまや遥かな存在となった初恋の女性への思いを胸に……。ドラマ・映画の原作にもなった、藤沢作品の代表的傑作。
APPLE BOOKSのレビュー
江戸時代の下級武士と女性たちの日常や悲哀を静謐(せいひつ)な筆致で描き出し、時代小説ファンの裾野を広げてきた藤沢周平。『たそがれ清兵衛』などこれまで多くの作品が映像化されている。彼の代表作である『蝉しぐれ』は、架空の海坂藩を舞台に過酷な青春を過ごす武士、牧文四郎の青春小説。15歳の時、政変の犠牲となり養父は切腹。遺された家は減禄の上に町外れへ追いやられ屈辱を受けた。しかし、親友たちやひそかに支援する人々に助けられ、文四郎は剣の道を究めて着実に武士として成長していく。幼なじみのふくへの淡い恋を胸に秘め、新たなお家騒動に巻き込まれた彼女を命懸けで守るクライマックスは、興奮と初恋の末路が入り乱れる名場面に。家名を汚されながらも、努めて平穏な日常を送る文四郎を見守るのは、自然豊かな海坂の風景と四季の移ろい。冬の寒さにピンと張り詰めた北国の澄んだ空気や、田を渡る爽やかな風の心地よさが伝わる情景描写は、藤沢作品ならでは。 簡潔に無駄を削ぎ落とし、余白を残す。読者の想像に託されたラストがすがすがしく、波瀾(はらん)万丈の成長記でありながら、読後は穏やかな気持ちに包まれる。
カスタマーレビュー
蝉しぐれ
文四郎の波乱万丈で真っ直ぐな生き方に感動しました。
蟬しぐれ
藤沢周平の文体、奥行きのある表現が素晴らしかった。心洗われる読後感で、涼しい風が駆け抜けていったようだった。
これもiOSが変わると読めなくなるの?
iOS 6まで対応の「蝉しぐれ」を購入し、楽しく読ませて頂きました。藤沢周平作品は大好きで、この作品は文庫本も持っています。iPhoneに入れていつでも読めるように以前ダウンロード購入したのですが、今回のiOS7では読めなくなりました。iOS 6対応版までのアプリ版は配信停止になると書いてありましたが、そうなるとiOSがバージョンアップする度に読めなくなるか、買い換えなければダメなんですか?iBooksバージョンになったから今度はこっちをまた買ってね!って、ことなのでしょうか?同じメーカー(出版社)ですから、購入履歴は残っているはずですから無料ダウンロードとか出来ないのでしょうか?素晴らしい作品は一生のうち何度も読んだりするわけですからね。システムとかいろいろ裏の事情は分かりませんが、同じ出版社の電子書籍なのにOSがアップグレードしたら読めなくなったのが納得できなかったのでここに書かせて貰いました。iOS 6まで対応の「蝉しぐれ」購入者にはこちらの方はぜひ無料ダウンロード出来るようにして頂けませんか?よろしくお願い致します。