男鹿・角館 殺しのスパン
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- ¥500
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発行者による作品情報
焼き鳥店の二階で、鬼の面をつけ、なまはげの扮装をした死体が発見された! 店主の野田かと思われたが、別人と判明。十津川と亀井は野田の出身地・男鹿へ飛ぶが、第二の殺人が起き、死体にはまたしても鬼の面が……。犯人の意図は!?
APPLE BOOKSのレビュー
トラベルミステリーの巨匠、西村京太郎の十津川警部シリーズ第27巻「男鹿・角館 殺しのスパン」。警視庁捜査一課の十津川警部と亀井刑事の名コンビが、東京・渋谷区幡ヶ谷で起きた殺人事件を追って秋田・男鹿半島へ赴く。会社を倒産させた男の悲劇を軸に、その妻や叔父など、登場人物それぞれの思惑がからみ、事件は思わぬ展開を見せる。十津川警部の鋭い洞察力と亀井刑事のベテランらしい勘が冴えわたり、真相へと近づいていく様は、心地よい緊張感に満ちている。また、一見普通に暮らしている人が、ふとしたことから事件を起こしたり、巻き込まれてしまう怖さを下敷きにした本作は、身近にいそうな人物設定とも相まって、新聞記事を読むかのような現実味を帯びており、読み応えがある。男鹿半島や角館の風景描写も巧みで、旅情を味わうことができるのも大いなる魅力の長編推理小説。