絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか
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4.1 • 11件の評価
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- ¥880
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発行者による作品情報
700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。
カスタマーレビュー
いつもながら例えが丁寧でわかりやすい
著者の本は、他にも一般読者向けの新書で何冊か読んだことがあるが、相変わらず例えや検証ががうまい。
直立二足歩行の有り余る欠点を補ったのが、食料を手で運んで子どもを育てたからとは!諸説ある中でいちばん納得がいくものである。また、つい5万年前にはホモ・フロレシエンシスが、4万年前までにはネアンデルタール人やデニソワ人がいたということは、地球規模でみれば極々最近のことなのではないか。
ここ数十年の分子生物学の隆盛により、ホモ・サピエンスにネアンデルタール人のDNAの2%が含まれている(他の人類のDNAも当然含まれている)ことがわかり、そのことが過酷な環境でも生き残れたのだろう。ネアンデルタール人は、アフリカ人とは遺伝子の共有をしていなかった。それはホモ・サピエンスがアフリカを出てからネアンデルタール人と交雑していることを意味している。その時期は6万〜5万年前であると見積もられている。など興味が尽きない知見が丁寧にわかりやすく書かれており大変読みやすい。
生命の条件が◯自己を複製する◯代謝をおこなう◯外界と仕切られているであるとすれば、「産めよ、増やせよ」は至上命令。それにホモ・サピエンスが特化していたのだろうか?(生命は自己をコピーするまでは保証するが、産んで仕舞えば保証せず免疫の低下やがんや老化が促進し死を迎える)しかしながら、不自然に増えすぎたものだと思う。他の種を絶滅に追いやっているのだから。
なを、脳の大きさであるが野生動物が環境の良い家畜になると小さくなる傾向がある。出産し、生殖可能になるものが多かった。集団で暮らすことでコミュニケーションによって知識や技術が伝承されるようになり、その結果必要最低限の脳の大きさに進化したとも考えられるが、どうだろうか?