言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないの‪か‬

おもしろく、わかりやすく、M-1およびお笑いの構造を分析・解説されています。

著書の主張の前提は塙さんの「言い訳」というタッチで書かれていますが、素人ながらに的確な言い分をされているな、とつい唸ってしまう表現が多分に含まれています。

さすがは言葉を扱うプロフェッショナルだなと、ただただ感心させられてしまいました。

全体を総じて「評価される者と評価する者」の苦悩と決闘の様相が塙さんの観点で論じられています。
そこの鋭さが何とも言えない快感に似た感覚を覚えます。
お笑いに縛られない、現代社会の競争に晒される立場の人であれば共感・痛感する文節に出会える内容だと思います。

M1という大会の特殊性を解説しながら、個々のコンビの漫才についても構造化して解説してくれています。笑いをみんなが緻密に計算して、スポーツのように磨き上げて望んでいる大会なんだとよく分かりました。
かなりマニアックな話になってます。

漫才コンビにも色々なスタイルがあって、分類ができることがわかって、勉強になった。