M-1はじめました。
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
\崖っぷちから始まった起死回生の漫才復興プロジェクト/
M-1グランプリをつくった元吉本社員がその裏側をすべて語る!
今世紀のお笑いブームの陰には、
忘れ去られていた漫才を立て直そうと奮闘した
1人の吉本社員の泥臭いドラマがあった――。
毎日会社に行くのがつまらなかったぼくは、
「ミスター吉本」の異名を取る常務からあるプロジェクトを言い渡された――
その名も「漫才プロジェクト」。
M-1につながる一歩がここから始まった。
【プロローグより】
ぼくはわくわくしていた。いよいよ始まるのだ。
この数か月、この日のために走り回ってきた。
これから漫才がどうなるか、今日の結果によってすべてが決まる。
(中略)
廊下には1000枚の1万円札が大きな透明パネルの中に入れられて展示してあった。
1000万円分の1万円札だ。並べてみると1000万円は意外に少なかった。
たったこれだけか、と思った。
けれどもこの1000万円のために、みなしゃかりきに奔走してきたのだ。
そしてこの1000万円をかけて10組の漫才師が今からしのぎを削るのだ。
間もなく生放送が始まる。
★全員が「アゲインスト」な状況を打破する、
あらゆるビジネスパーソンに響くストーリー!
一人も味方がいない状態で任命された、やらされ仕事。
それを淡々とこなしていくうちに、仲間が増え、自分も必死になり、
やがてライフワークへと昇華した。
どんな仕事も、輝きを放つ可能性を秘めている!
★M-1グランプリの誕生秘話からイノベーションの真髄を学べる!
ガチンコ勝負による人と人との生々しいぶつかり合いが、
人々の胸を打つ特大コンテンツとなった。
新しいものは「人の必死さ」から生まれる!
★中川家、島田紳助、松本人志ほか著名芸人のエピソードが満載!
APPLE BOOKSのレビュー
人気低迷中だった漫才の復興プロジェクトとしてスタートした「M-1 グランプリ」を巡るノンフィクション。本作では、第1回開催までの軌跡と、立ち上げに関わった元吉本興業社員の奮闘が描かれる。今や高視聴率を誇る人気番組であり、国民的行事といっても過言ではない漫才頂上決定戦。そのドキュメンタリーでありながら、組織で仕事をする上で必要な知恵、上司や同僚との付き合い方、新規事業立ち上げ時の模索、メインスポンサーとのやり取りなど、あらゆるビジネスパーソンに響くエピソードや格言がちりばめられている。ダウンタウンという天才の革新性とその登場が業界にもたらした影響、中川家をはじめとする今日のビッグネームたちの意外な姿、芸人たちが抱いていた吉本興業への疑心暗鬼や緊迫感あふれる大会の舞台裏など、お笑いファンならずとも気になる話題がめじろ押しだ。本作を一読すれば、普段何げなく楽しんでいる漫才やお笑いというエンターテインメントに、あらためて敬意を払わずにはいられなくなるだろう。イノベーションの神髄とは、やはりいつの世も「本物」を見極める目と感性、そして対象への愛情だとつくづく痛感させられる。