道徳感情論
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- ¥2,400
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発行者による作品情報
アダム・スミスの二大著作の一冊が『道徳感情論』(1759)です。本書こそが主著で、『国富論』はその副産物だったのです。個人とは「共感」能力を持ち、様々な「激情」を持っています。利己的であったり、社会的であったり、憤ったり、感謝したりします。スミスはこういった個人の心に「義務」「道徳」を確立して、新しい社会と人間のあり方を探りました。近代社会の原理を知るための必読書が読み易い新訳で登場! (講談社学術文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
経済学の名著「国富論」の著者であり、古典派経済学の父と呼ばれるイギリスの経済学者、哲学者アダム・スミスが1759年に出版した初めての著作「道徳感情論」。本書でスミスは、人はいかに利己的に見えようとも、他人の感情や行為を評価する"共感"の心を持ち、そのため他人から共感されることを常に意識して行動すると解説する。そして共感を求める気持ちが、自分の行為が果たして社会的な行動規範に適合しているかどうかを常に確認することになり、それが社会ルールを生むという。「国富論」の中のあまりに有名な"見えざる手"というたった一言によって、自己の利益を追い求める市場経済の擁護者とされるスミスだが、自由な経済活動もこの共感する力を前提にしているがために秩序立てて行われると考えた。この大著が一貫して主張しているのは、共感を通じて相手の感情をくみ取ることの重要性。他者へのまなざしを社会の基本とする本書の主張は再び脚光を浴びている。