



黒死館殺人事件
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3.3 • 135件の評価
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発行者による作品情報
豪壮を極めたケルト・ルネサンス様式の城館「黒死館」で起こる奇怪な連続殺人事件。衒学的推論で謎解きに挑む探偵、法水麟太郎。夢野久作『ドグラ・マグラ』、中井英夫『虚無への供物』と並んで日本の探偵小説史上、三大奇書と呼ばれる。1939(昭和9)年、『新青年』に連載され、ゲーテの『ファウスト』をモチーフにしたペダンティックなあやかしの世界は、日本で唯一のゴシック・ロマンスとも評される。作者の小栗虫太郎は探偵小説の他、『人外魔境』などの秘境冒険小説でもそのペダンティックな作風で人気を博した。戦後、「社会主義探偵小説」と銘打った長編小説『悪霊』執筆中に死去。1968(昭和43)年に刊行がスタートした桃源社の「大ロマンの復活」シリーズで再評価が始まった。
APPLE BOOKSのレビュー
古今東西のさまざまな学問や、雑学、当時最先端だった舶来の知識など、幅広い情報を濃密に詰め込んだ作風で知られる小栗虫太郎の代表作「黒死館殺人事件」。建設以来、幾多の不審死が発生している降矢木家の屋敷、通称"黒死館"で巻き起こる事件を、探偵・法水麟太郎が独自の手法で解明する。天正遣欧少年使節の血筋を引く者が家を興したという逸話、4人の外国人が隔離されている状況、そして黒死館という不穏な名称など、舞台となる屋敷を取り巻くミステリアスなムードが刺激的なエッセンスとして物語を彩る。主人公・法水による、医学や心理学、心霊主義、宗教学、哲学など、あらゆる話題へと紆余曲折する独特な推理も相まって、著者の筆が生み出す怪しくも魅力的な世界へと誘われていく。ミステリーという枠組みを超え、未知の知識に触れるという百科事典を開くかのような読書体験を味わうことができる。1935年の発表以来、愛され続けている不朽の名著。
カスタマーレビュー
情報量が凄い
歴史、医学、宗教学、音楽等の情報量が凄いです。昔の人は読む側も博学だったのですね。私は半分以上読み飛ばしました。全て理解できたらきっともっと面白いのでしょう。
次はドグラ・マグラに挑戦します。
衒学的読書
日本三大奇書として有名な今作。
著者小栗氏の衒学的趣味を法水麟太郎に語らせながらそれを用いて事件を解決していくが、その実趣味の発表場として小説を書いたのかの如し頁を目眩く学の数々。
ドイツ語は当然として古書、芸術、心理学に至るまでありとあらゆる知識を読者が知っている前提で進むため頁を捲るごとに新出単語を辞書で引きながら読んだ。
奇書の名に恥じぬ読み応えであったが、筋は通っているので本腰を入れれば読めるだろう。
読了できたか!
まずは、読了出来たかが問題です。
4回挑戦しましたが、お手上げでした。
日本の3大奇書の中で最も難解です。
ドグラ・マグラ、虚無への供物はクリアしました。
また挑戦です。