邪教の子
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のサスペンススリラー。
APPLE BOOKSのレビュー
ホラー小説の気鋭作家、澤村伊智が新興宗教の光と闇を描いたホラーサスペンス『邪教の子』。物語は前半と後半で読者の見える景色をがらりと変える。光明が丘ニュータウンに住む少女、慧斗(けいと)は近所に引っ越してきたある家族の異常さに気付く。自己啓発セミナーがカルト化した“コスモフィールド”に傾倒する母親から虐待を受けている車椅子の少女、飯田茜の姿を見た慧斗は、彼女を助けるために仲間たちと無謀な計画を立てる…。一方、異色の深夜番組のディレクター矢口は、街で新興宗教“大地の民”の元信者だと名乗る老人から声をかけられる。番組にするため、教団の取材を始めた矢口は、撮影を重ねるごとに、彼らの実態の異様さが目に付き始める。老人とともに教団の拠点に潜入取材を敢行、そこで矢口が目にしたのは驚愕の真実だった。物語の中盤から一気に読者を引き込んでいく予想を裏切るプロットに思わずうなってしまう。常軌を逸脱した人々の信仰心や誇大妄想が引き起こす悪夢に、この世で一番怖いのは人間だと思わざるをえない。