空中庭園
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3.4 • 44件の評価
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- ¥550
発行者による作品情報
郊外のダンチで暮らす4人家族・京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。15歳の長女マナが“自分はどこで生を授かったか”を訊ねると、ママはラブホテルで、と教えてくれた。自分が仕込まれたのが近所の「ホテル野猿」だと知って、どうしても見てみたくなったマナは、同級生の森崎くんを誘って行ってみた……。家族ひとりひとりが、そのモットーとは裏腹に、閉ざしたドアの中に秘密を持ちながら、仲の良い「家族」を演じているさまを鮮やかに描く連作家族小説。
APPLE BOOKSのレビュー
「対岸の彼女」や「八日目の蝉」といった数々のヒット作を生み出し、作品ごとに趣が変わる多彩な作風で知られる小説家・角田光代による「空中庭園」。とある一家を舞台に、家族のメンバーとその関係者がそれぞれ語り手となった短編が収録されている。隠し事はしないという家族のモットーに対し、自らの出生に関する真実を探ろうとする娘、妻を裏切って不倫を続ける父親、家庭教師として家族に入り込む父の交際相手など、登場人物ごとに視点が変化しながら、少しづつその内側の"秘密"が明らかになっていく。同じ共同体の中にいながら、実は互いのことを理解できていないという、現代のリアルな家族の形を浮き彫りにする群像劇。シリアスなテーマながら、明るい口調で書かれた文章のトーンが生み出すコントラストに、"家族"という枠組みに向けられた著者の鋭い眼識も透けて見える。伝統的なコミュニティのあり方について改めて問い直すきっかけとなる物語。