両京十五日1 凶兆
-
- ¥2,400
-
- ¥2,400
発行者による作品情報
十五世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子は爆発による襲撃に襲われる。さらに北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、幾度と襲い掛かってくる刺客から逃れつつ、南京から北京へ向かう幾千里にもわたる決死行が始まる――!
APPLE BOOKSのレビュー
明の5代宣徳帝となる朱瞻基の、若き皇太子時代を描く冒険ミステリー。 発表作品のほとんどが実写ドラマ化されている中国のベストセラー作家、馬伯庸(ば・はくよう/マー・ボーヨン)の長編小説が、日本で初めて翻訳出版。皇帝である父から命じられて北京から南京まで赴いた朱瞻基が、部下を失い暗殺者に命を狙われる中、南京から北京まで15日間で縦断する。味方になるのは窮地で出会った3人の男女のみ。馬伯庸作品の特徴である、史実をベースとしながら巧みにフィクションを織り交ぜる手法によって実際にあったかのような錯覚に陥るだけでなく、詳細な描写にも圧倒される。主要キャラクターの4人も、実在と架空が半分ずつでバランスが絶妙。翻訳にも工夫が施されており、中国史に詳しくなくても、冒険、サスペンス、青春、恋愛などのさまざまな要素が絡み合い十分に楽しめる。追われる緊張感や期限があることへの焦りからどんどん物語に引き込まれ、必ず続きが読みたくなり、一気読みも可能な勢いだ。