Z世代のネオホームレス 自らの意思で家に帰らない子どもたち
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3.8 • 4件の評価
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- ¥1,600
発行者による作品情報
YouTubeでホームレスを取材し続ける、元芸人による渾身のノンフィクション。
自らの意思で家に帰らない、Z世代ネオホームレスのリアルに迫る。
ホームレスと聞いて、「貧困」「路上生活」などを想像する人は多いのではないだろうか。
しかし近年、10~20代といったZ世代のホームレスが増えている。
実家が裕福であったり、未成年ながらサラリーマンの平均以上の収入を稼いだりする者。
決して路上には根を下ろさず、ホテルやマンガ喫茶で生活をする者など、彼らは従来のイメージとは一線を画す。
もはや貧困だけが理由ではない、まさに新時代の“ネオホームレス”と呼べるのではないか。
ではなぜ彼らはホームレス(=家に帰らない)という生活を選んだのか。
パパ活、毒親、推し、トー横界隈など
その背景には、近年度々取り沙汰される社会問題が切り離せない。
本書では、YouTubeで反響の大きかった者含めて、4名のZ世代ネオホームレスに密着取材。
動画では載せきれなかったエピソードのほか、追加インタビューやの著者が交流する中でわかったことなど。
彼らの生き方を通して、先の問題に警鐘を鳴らすルポタージュ。
貧困だけでは語れない。求めるのは、息のしやすい場所―。
あなたの子どもは大丈夫ですか?
カバーモデル:戦慄かなの
■出版社からのコメント
青柳さんは、ホームレスの方を救いたいといった大義がある訳ではない。社会的な活動家でもない。しかし、“無知”をまったく恥じない人だ。だからどんな相手にも敬意を持って話を聞く。その度に驚き、笑い、悲しみ、また質問を重ねる。その等身大の姿と、“知りたい”という純粋な欲求を目の当たりにすると、人はつい本音をこぼしてしまう。私もそんな彼の魅力に憑りつかれた一人です。
APPLE BOOKSのレビュー
動画配信チャンネルを運営する青柳貴哉が手掛けたノンフィクション。アルバイトに明け暮れていた芸人時代、青柳は何げなく声を掛けたホームレスに怒鳴られ、その理由を知りたくて取材活動を開始。10代を含むZ世代と呼ばれる若者たちが、家、学校、社会から離れて路上に集っているという現実を目の当たりにする。トー横キッズなどと呼ばれ、メディアにも盛んに取り上げられるようになった新宿、歌舞伎町に集う若者たち。紹介されるのは4人の少年少女のケースで、インタビューを続ける中で現代社会が抱えている数々の問題点が浮き彫りになっていく。怖いもの見たさの好奇心を刺激する部分も否定できないけれども、真摯(しんし)に一人一人の物語に耳を傾け、伝えようとする著者の筆致に胸打たれる。動画配信ではセンセーショナルな面が先に立ってしまう部分も、平易な文章で読みやすく、より深く掘り下げられる。多くの若者が同じ道に踏み込む危うさを抱えていることから目をそらしてはならない。