あのこは貴族
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4.1 • 98件の評価
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- ¥650
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発行者による作品情報
東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが20代後半で恋人に振られ、焦ってお見合いを重ねた末にハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。
APPLE BOOKSのレビュー
東京の生え抜きお嬢様と上京組の優等生女子が自らを縛り付けていた呪いのような自意識から解放されるまでを描いた物語。東京で開業医の末娘として生まれた華子は、小学校からカトリック系の女子校で純粋培養された上流階級のお嬢様。26歳の正月に家族に紹介するはずだった彼氏と別れた華子は、結婚を焦りお見合いを重ねた末に、スマートな弁護士の幸一郎と出会う。華子よりさらに上流階層の出である幸一郎とトントン拍子に結婚まで話が進むが、華子は幸一郎の気持ちがつかめずにいた。そんな時、友人から幸一郎に女の影ありと知らされた華子はその相手、美紀と会うことになる。この物語のユニークな点は、この出会いが男を巡る争いではなく、それぞれのコンプレックスや人生を見つめ直すきっかけとなるところだ。自分をつまらない女だと思い、結婚でしか自分の道が切り開けないと信じている箱入りお嬢様の華子と、地方から慶應に進学し、貴族のような内部生たちとの格差に引け目を感じてきた美紀。この2人の例は極端だけれど「こうあるべき」「こんなもの」と自分のランクや可能性を決めつけてしまう呪い。そんな呪いから2人の女性が解き放たれていく姿に救われた気持ちになる。
カスタマーレビュー
どさんこ41
、
感想が
難しいです