おらおらでひとりいぐも
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- ¥690
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発行者による作品情報
50万部突破の感動作、2020年、最強の布陣で映画化決定!田中裕子、蒼井優が桃子さん役を熱演、「南極料理人」「モリのいる場所」で最注目の沖田修一が脚本・監督。すべての人生への応援歌。
APPLE BOOKSのレビュー
2017年に本作『おらおらでひとりいぐも』で小説家デビューし、63歳で文藝賞と芥川賞を受賞した若竹千佐子。夫を亡くし、混乱した経験を基に書き上げたのが、74歳の主人公桃子の老いの境地だった。独居老人で、誰とも話をせずに日々を過ごす桃子。結婚を3日後に控えた24歳の時に、東北の故郷から東京へ飛び出し、その後、バイト先で知り合った同郷の周造と結婚。2人の子供に恵まれたが、夫は55歳で急死した。今では子供たちは家に近寄らず、訪れるのはねずみだけ。差し迫る老いへの恐怖のせいか、お一人様の自由のせいか、彼女の中から大勢の人の声が聞こえてくるようになる。一人称の東北弁と、三人称の標準語が入り混じり、ユーモアとペーソスにあふれた文体はカオスにも似たグルーヴを生み出し、桃子の声が頭を駆け巡る奇妙な読書体験を味わわせてくれる。2020年には、沖田修一監督の手で映画化されたが、オフビートでとぼけた雰囲気の映画との違いも確かめてほしい。
カスタマーレビュー
母が残した書籍
亡くなった母が残していた本でした
この本を読んでいたのであれば、母はどういう気持ちで読んでいたのだろう
最後の最後に桃子さんの人と話したかったという思いに、涙が止まらなかった
私は母の元を4年前に離れて遠いところに行ってしまった
孫と会いたかっただろうなと思うと
私は母に罪悪感でいっぱいだった
孤独を受け入れたかと思えば、やはり人恋しいと
桃子さんは周造を失って喪失と絶望感を抱えていたが
私は母を失ったそれと同じものを、重ねて読んでいた
母も桃子さんと同じだった想いだったのか
わからないが
母を想いながら読みました