きれぎれ
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3.5 • 10件の評価
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- ¥490
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発行者による作品情報
絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。当然ながら金に困っている。自分より劣るとしか思えない絵を描く知人の吉原は、認められ成功し、自分が好きな女と結婚している。そんな吉原に金を借りにいく俺なのだが……。現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた芥川賞受賞の表題作と短篇「人生の聖」を収録。町田康ならではの、息もつかせぬ音楽的な文体。読むことがめくるめく快感、そんな作品です。
APPLE BOOKSのレビュー
第123回(2000年上半期)芥川賞受賞作。1996年の作家デビュー作『くっすん大黒』、1998年の『けものがれ、俺らの猿と』でも同賞候補となり、社会に適応できない没落者を独特の滑稽な文体で描いて太宰治と比較された町田康。『きれぎれ』は、その初期スタイルの完成形といえるだろう。陶器店を営む裕福な実家で育った「俺」は工芸高校を中退し、働く気もなく、絵描きを気取っているものの、ランパブ通いが趣味のダメ男。母が勧めた資産家令嬢の新田富子との見合いを破談にし、ろくでもないランパブ嬢のサトエと結婚するが、富子が昔の仲間で大して才能もないのに成功している画家の吉原の妻になっており、しかも別嬪(べっぴん)なことに気付いてがくぜんとする。母が死に、家業の負債と引き換えに財産を無くし、吉原と富子から金を借りようとした「俺」は…。時空が入り乱れ、途中経過が欠落した唐突な急転直下。型破りだがリズミカル、怒涛(どとう)の勢いで言葉を書き連ねる文体は唯一無二。虚栄と自虐、傲慢(ごうまん)と卑屈を行き来しながらボケと駄洒落をかまして笑わせ、破滅的に生きる「俺」は不思議と憎めない。ハムをもらう場面の既視感が『きれぎれ』の双生児を思わせる『人生の聖』を併録。
カスタマーレビュー
好きな作家
町田康さんの本がアップされている!これは読んだことないけど安いから買ってみた♪
あの本もアップして欲しい…でも題名が思い出せない(p_-)
だめだ
だめだ、薄々とは感じていたけれどやっぱり私には町田康さんの作品がやっぱり私には合わないんだ。合わないんだ。二回言うな。(笑)