なぞの転校生
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- ¥370
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発行者による作品情報
岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫はギリシャ彫刻を思わせる美男子であるのに加え、成績優秀でスポーツも万能だったが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは? 1970年代のNHK少年ドラマシリーズシリーズとして映像化され人気を博した眉村卓がおくるSFジュブナイルの傑作。(講談社文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
ジュブナイル、またはヤングアダルト(YA)と総称されるティーンエージャー向け小説を数多く生み出してきたSF作家、眉村卓の代表作。主人公の岩田広一が通う進学校に転校してきた謎めいた美少年、山沢典夫。成績優秀でスポーツ万能な典夫は一躍クラスの人気者になるが、雨やジェット機の爆音を過剰に怖がる様子に、何かを隠しているのではと広一は感づく。そして典夫の出現から間もなく、彼らの周りでは次々と不可解なことが起こり、広一たちの平凡な高校生活は大きく揺るがされていくのだった。本作が発表された1960年代の日本はSFの黎明(れいめい)期であり、世界は冷戦の最中で核の恐怖が身近なものとして存在していた時代だった。そうした時代背景は、エスパーや宇宙人との交信、ミステリアスな異世界ロマン、そして迫りくる終末の危機を描いた本作にも如実に反映されている。SFの要素を少年少女たちの等身大の日常と絶妙にリンクさせ、極上にして普遍的な青春小説へと昇華した眉村のジュブナイルの大家としての手腕が光る。ドラマ化や映画化を経て、今なお多くのティーンに愛され続けている不朽の名作だ。
カスタマーレビュー
グリーンフィンガー
、
懐かしく楽しめた
何十年も前の作品だけれど、未だに現代に通じる問題点を考えさせられる作品である。