ひめゆりの祈り
歌声が繋いだ八〇年の奇跡
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- リリース予定日:2026年4月1日
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発行者による作品情報
修学旅行で沖縄を訪れた女子高生・綾瀬七海。ひめゆりの塔の前で強烈な眩暈に襲われた彼女が目覚めたのは、昭和二十年、戦火の足音が迫る沖縄だった。鏡に映るのは自分ではなく、かつての若き日の曾祖母「姫野ゆり」の姿。
合唱部で声を合わせることだけが楽しみだった少女たちのささやかな日常は、米軍の上陸とともに脆くも崩れ去る。教室から暗い壕へ、ペンから包帯へ。七海はゆりの視点を通し、教科書だけでは分からない「ひめゆり学徒隊」の壮絶な現実を追体験していく。
逃げ場のない極限状態、仲間たちの死、そして迫りくる「集団自決」の圧力。絶望の淵に立たされた時、現代を知る七海の魂は、曾祖母に何を伝えることができるのか。
時を超えて交錯する二人の少女の想いが、暗闇の中で小さな光を灯す。戦争の悲劇と、それでも消えない「生きたい」という切実な願いを描いた、涙溢れる青春タイムスリップ・ストーリー。