モアイ像と最後の武士
絶海の孤島に刻まれた鎌倉の記憶
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発行者による作品情報
イースター島の巨大なモアイ像の影に、ひっそりと佇む「地蔵」があったとしたら?
現代、考古学者の宗像は、ラノ・ララクの山麓で歴史を覆す発見をする。それは、ポリネシアの絶海の孤島には存在するはずのない、日本独自の石仏だった。
時は遡り鎌倉時代。幕府の追討を逃れた武士・伊東景時とその一党は、決死の覚悟で大海原へ漕ぎ出した。黒潮に流され、彼らが辿り着いたのは、未だ無人の「緑の島」。侍たちは刀を鍬に持ち替え、島を開拓し、やがて訪れたポリネシアの民と奇妙な共存関係を築いていく。日本の石工技術と現地の信仰が融合し、生まれたのがあの巨大なモアイ像だった。
文明の衝突と融合、膨れ上がる欲望、そして避けられぬ滅びの運命。数奇な運命を辿った侍たちの末裔は、なぜ歴史から消し去られたのか?
考古学的ミステリーと壮大な歴史ロマンが交錯する、魂の物語。教科書が書かなかった「もう一つのイースター島史」が、今、紐解かれる。