ハリー・クバート事件(上下合本版)
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4.3 • 11件の評価
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- ¥2,000
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発行者による作品情報
【驚異のメガヒット! 徹夜の覚悟なしに読み始めないで下さい!!】デビュー作の大ヒットで一躍ベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まり、大学の恩師で国民的作家、ハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていた。しかし、そのハリー・クバートが、33年前に失踪した美少女ノラ殺害の容疑で逮捕されてしまう。彼の家の庭に埋められていたノラの白骨死体が発見されたのだ! 師の無実を信じるマーカスは、事件について独自に調べはじめ、それを師に教えられた小説作法に従って、一冊の本にまとめあげることにしたのだったが……。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し、世界40か国以上で刊行され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞同時受賞の傑作。/解説=川出正樹※本電子書籍は『ハリー・クバート事件 上・下』を1冊にまとめた合本版です。
APPLE BOOKSのレビュー
アカデミー・フランセーズ賞、高校生ゴンクール賞など名だたる文学賞を受賞し、エンタテインメントとしても一級品といえる傑作ミステリー。既に30ヵ国語以上に翻訳され世界的な大ヒットとなっている本作は、スイス人作家ジョエル・ディケールがアメリカを舞台にフランス語で書いた「偽アメリカ小説」であり、師弟関係の物語、恋愛小説、謎解きミステリーが絶妙なバランスで盛り込まれ、ノスタルジックなムード漂う典型的なスモールタウンドラマの趣もある。また、本の中に本があり、またその中に本がある2重構造のメタフィクションとなっているなど、作品のユニークさ、魅力を挙げればきりがない。陳腐さと崇高さ、荒削りさと緻密さ、冗長さと軽快なテンポが混在、しかも物語は30年間もの時間軸を行ったり来たりするが、謎が謎を呼び、読み始めからエピローグに至るまで、読者を惹き付けて離さない。特に後半畳み掛けるどんでん返しの連続は圧巻。ページをめくる手が止まらなくなるので、寝不足覚悟で手に取ることをおすすめ。