



フロスト始末 上
ジャック・フロスト警部シリーズ
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4.3 • 6件の評価
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- ¥1,400
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発行者による作品情報
今宵も人手不足のデントン署において、運悪く署内に居合わせたフロスト警部は人間の足遺棄事件と連続強姦事件、スーパー脅迫事件を押しつけられる。そこへ赴任してきたスキナー主任警部は、さながらマレット署長の小型版(体型は大型版)で、フロストを異動させるべくやってきた御仁だ。署長と主任警部のイヤミ二重唱を聞かされ続け、超過勤務をぼやきつつも、フロスト警部は捜査をやめない、やめられない。経験の浅い見習い婦人警官や、頼りにならない駄目刑事と行動を共にするうちに、さらなる難事件が……。超人気警察小説シリーズ最終作。
APPLE BOOKSのレビュー
イギリスの小説家、R・D・ウィングフィールドによる人気シリーズの最終話、「フロスト始末<上>」。架空の町、デントンの警察署に勤務するジャック・フロスト警部が主人公。ある晩、殺人事件やスーパー脅迫事件などが次々と起こり、彼は渋々ながら現場に向かう。見た目は冴えず口の悪いフロストだが、刑事としての洞察力や勘は鋭い。その一方で、容疑者をむやみに疑わず、犯罪被害者にも心を寄せる人間味にあふれたキャラクター設定が物語の魅力を増している。一つの事件を調べていると別の事件の解決につながるが、さらに謎も増すという展開も読者の気をそらさない。また、複雑に絡む事件とこれを取り巻く人間模様も興味深い。面倒なことは遠ざけたい署長や出世のことしか頭にない上司との確執、頼りにならない若手刑事に対する諦めと愛情ある叱咤など、警察署内の人間ドラマとしても楽しめる。長編ながら軽快な文章で読み進めやすいエンターテインメント小説。未だ解決に至らない数々の事件の鍵はどこにあるのか、後編を読むのが待ち遠しくなる。