亡国のイージス(上)
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- ¥770
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発行者による作品情報
在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をトリプル受賞した長編海洋冒険小説の傑作。(講談社文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
『終戦のローレライ』『人類資金』など、特殊な環境下で緊張状態を強いられる人々のドラマを得意とする福井晴敏の軍事サスペンス『亡国のイージス(上)』。在日米軍基地から消えた特殊兵器をめぐり、北朝鮮と日本が謀り合う刺激的なストーリーを、膨大な軍事用語と詳細なデータを基に描き込んだ大作だ。最新のミニ・イージスシステムが搭載された護衛艦いそかぜが、訓練のために太平洋沖へ出航する。先任伍長の仙石や同僚は、幹部たちの不可解な交代劇と、イージスシステムの指導者として乗り込んだ若き一等海士の如月に違和感を抱く。旅客機墜落の救出中に発生した事故で、艦内の雰囲気はますますぎくしゃくし、妙な噂が広まり始める。特殊兵器といそかぜの関係が明らかになるとサスペンスは一気に加速、仙石の孤軍奮闘で下巻になだれ込む。長い序章で紹介される登場人物の背景がのちのち効果的に使われるので、確実にインプットしておきたい。