四月になれば彼女は
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- ¥730
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発行者による作品情報
恋愛なき時代のベストセラー恋愛小説、ついに文庫化!
精神科医・藤代に大学時代の恋人から手紙が――失った恋に翻弄される十二か月。『世界から猫が消えたなら』『億男』著者の恋愛小説。
APPLE BOOKSのレビュー
映画プロデューサーとして『電車男』『告白』などヒット作を連発し、2012年にベストセラー『世界から猫が消えたなら』で作家デビューした川村元気。3作目の『四月になれば彼女は』は、大学時代のみずみずしい恋をまぶしく思い出しながら、社会人となり結婚を控えた恋人への愛が薄れた事実に立ちすくむ男の心の旅を追う。主人公の藤代の下に、大学時代の恋人ハルから「ボリビアのウユニにいる」と、9年ぶりに手紙が届く。たくさんの思い出を作った時を懐かしく思い出した藤代は、精神科医としてそつなく仕事をこなし、婚約者の弥生とは距離を置いている今の自分とのギャップに気付いてしまう。美しい情景と冷めた心境の対比にヒリヒリとさせられる恋愛ストーリーで、2024年に佐藤健、長澤まさみ、森七菜出演で映画化。恋愛をしたい、独りは寂しいと思いながらも好きになる相手がいない。ポッカリと恋愛が消えた世界を変えるのか、それとも、そういうものと受け入れるのか。川村が正面から問い続ける恋と愛についての考察は、心の奥底を揺さぶり続ける。