宮本武蔵【二】
水の巻
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発行者による作品情報
国民文学作家、吉川英治著の長編小説が読める。
日本で最強と呼ばれた二刀流の剣豪「宮本武蔵」を描いた代表作『宮本武蔵』シリーズ第2弾。
従来の武蔵像を一変させた畢生の代表作。
青年武蔵(たけぞう)が功名心に燃えて幼友達の又八とともに関ヶ原合戦に参加し敗北を体験するところから始まり、沢庵を導師として人間的に開眼、剣禅一如の境地を求めて歩みつづけ、佐々木小次郎との船島(巌流島)での運命的な対決にいたる。
お通との純愛、吉岡一門との決闘など小説のおもしろさをたっぷりと盛り込みながらも、
柳生石舟斎や本阿弥光悦らとの出会いを通して武蔵の人間形成をたどっている。
◆『宮本武蔵 <水の巻>』では、
・宮本武蔵が創始した流派「二天一流(二刀流)」の基本姿勢や太刀筋が記されている
千里の道も一足ずつはこぶなり。緩々と思い、この法を行うこと、武士の役なりと心得て、今日は昨日の我れに勝ち、明日は下手に勝ち、
後は上手に勝つと思い、この書き物のごとくにして、少しもわきの道へ心行かざるように思うべし。
たといいかほどの敵に打ち勝ちても、習いに背くことにおいては、実の道にあるべからず。
この利心に浮かべては、一身をもって数十人にも勝つ心のわきまえあるべし。
しかる上は、剣術の智力にて、大分一分の兵法をも得道すべし。
千日の稽古を鍛(たん)とし、万日の稽古を錬(れん)とす。
よくよく吟味あるべきものなり。
◆宮本武蔵とは
江戸時代初期の剣術家、兵法家。二刀を用いる二天一流兵法の祖。《五輪書》の著者。
また重要文化財として指定された水墨画や工芸品を残している。
日本の剣道史上最も著名な剣豪の一人で、小説、舞台、映画などにもなっているが、伝記については必ずしも明らかではない。
《五輪書》によれば、武蔵は幼少のころから兵法を心がけ、13歳ではじめて試合をして勝ち、28〜29歳まで60余度の試合に一度も負けなかったといわれる。
◆著者情報
吉川英治(よしかわ えいじ)
「鳴門秘帖」「松のや露八」「宮本武蔵」「太閤記」「新・平家物語」「私本太平記」をはじめ、長編約80編、短編約180編という膨大な小説を執筆し、多くの人々に愛読され、国民文学作家と親しまれました。
「新書太閤記」(NHK大河ドラマ化)「新・平家物語」(NHK大河ドラマ化&映画化)「宮本武蔵」(NHK大河ドラマ&TVドラマ化&映画化)
「私本太平記」(NHK大河ドラマ化)など、
数多くの名作を現代に残しており、司馬遼太郎と並ぶ日本を代表する歴史作家のひとりです。