



幕末・明治 偉人たちの「定年後」
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3.3 • 12件の評価
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- ¥950
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発行者による作品情報
勝海舟、板垣退助、高橋泥舟、渋沢栄一など、歴史の大転換期だった幕末から明治にかけて大きな活躍をした偉人たちにも、第一線から退く時期はやってきた。その時、彼らはどう行動したのか。
勝海舟は52歳で政界を引退、西郷隆盛や最後の将軍・慶喜の名誉回復、旧幕臣の経済支援につとめた。幕末に勝と並んで活躍した高橋泥舟は、栄達を捨てる道を選び、日本騎兵の父・秋山好古は第二の人生で教職を選んだ。
引退、隠居から意外な分野への転身、生涯現役を目指した生き方など、その選択肢は多彩。ユニークな生き方をした偉人たちの晩年の姿は、私たちの定年後を充実させる参考になるはずだ。
APPLE BOOKSのレビュー
歴史作家の河合敦が、歴史上の偉人たちの「定年後」を取り上げた興味深い一冊。“定年”はもちろん比喩として使われているのだが、偉人たちが第一線を退いた後にどのような晩節を迎え、人生を仕上げていったかを、「維新の英傑の長い老後」「生涯現役を貫いた人びと」「波乱万丈転変の人生」の3章にわたって紹介する。取り上げた人物は、勝海舟、榎本武揚、東郷平八郎、渋沢栄一、永倉新八ら。江戸無血開城を実現させた勝海舟が、福沢諭吉から受けた批判への返答として、徳川慶喜の子をもらい受けるエピソード、立憲帝政党を結成した福地源一郎が大隈重信から多額の借金をしていたこと、新選組最強の剣士の一人として知られる斎藤一が女子校の庶務掛兼会計掛として就職したことなど、歴史の豆知識を楽しむには格好の良書だ。権力に固執した山県有朋、栄達を捨てた高橋泥舟、功成り名遂げた後に潔く身を引き社会事業に打ち込んだ渋沢栄一。偉人たちの足跡をたどりながら、今後の人生設計やセカンドライフについて考えるきっかけになるかもしれない。