幻想郵便局
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- ¥640
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発行者による作品情報
就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは……。ようこそ、登天郵便局へ。オリジナルのものから改稿し、さらにグレードアップ! 読書メーター読みたい本ランキング第1位。(講談社文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
癒やし系のファンタジーで人気の作家、堀川アサコによる幻想シリーズの第1弾『幻想郵便局』。冥界と現世の境目にある登天(とうてん)郵便局は、あの世へ向かう死者が通る場所。死んだ人から現世で生きる人へのあいさつ状を配達したり、地獄のえんま様から裁きを受けるために必要な功徳手帳に生前に積んだ功徳や罪を記帳する、といった業務も行っている。山の上にあるそんな不思議な郵便局で、就職浪人のアズサがアルバイトすることに。荒れ果てた心霊スポットに怨霊、記憶抹消、隕石(いんせき)盗難、果ては霊界バトルの勃発と超常現象のオンパレードなのだが、登場するキャラクターがそろいもそろってマイペースでのんびり。一般人のアズサですら怨霊にまとわりつかれても恐怖を感じるどころか、相談相手になってしまうぶっ飛んだ展開に笑いがこみ上げる。でも、そこには「死んだ人は消えたわけじゃない」との堀川のメッセージがくっきり。ちょっと怖いけれど、離別の悲しみをふわりと癒やしてくれる温かな一冊。
カスタマーレビュー
あっという間に
自然とフワフワ進む世界観にうっとりしてたら読み終わった感じ。死んで形がなくなったからって思いまでなくならない、幻想なのか現実なのか、はっきりさせることだけが全てじゃないと感じさせる作品だった。
喪の作業
悲嘆のプロセスを明るく、人それぞれに捉えて描く。ミステリーあり、ファンタジーあり、ひとくくりにできない物語。物語と同時に自分が出会った人々との別れとその後の気持ちを追体験する。そして、今の自分の生き方を登場人物に投影して感じる。どの年代の人が読んでも重なる誰かがいる。柔らかい、しなやかな芯がある物語。大切な人との別れを体験した誰にも優しい物語。
面白い
中学生の時に購入した。2年間朝の読書の時間この本をずっとよんでいた。