春は馬車に乗って
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4.5 • 74件の評価
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発行者による作品情報
この作品は書いている、横光利一(よこみつりいち、1898年(明治31年)3月17日-1947年(昭和22年)12月30日)は、日本の小説家・俳人・評論家である。この作品は底本の「機械・春は馬車に乗って」では「小説・物語」としてまとめられている。
カスタマーレビュー
kasiwa mochi
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馬車に乗ってやってきた新しい文学
常にあっと驚く表現で読者に不思議な読後感を与えてきた横光。それは自然主義にあらずば小説にあらずといった、自然主義や大家たちに対する挑戦だった。内容よりも形式を重んじ、まず表現から新しい芸術を生み出すことで旧態依然を打ち破る。本作は実体験を元にしており、そうした意味ではある種自然主義といえなくもないが、一文々々に込められた瑞々しい文体のイメージはたちまち読む者の頭に響き、心を離れない。まさしく馬車が春を運んでくるように、清々しい好短編とっていい。