江戸川乱歩全短篇(1) ――本格推理
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5.0 • 1件の評価
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- ¥1,300
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発行者による作品情報
日本のミステリーの基礎を築いた巨人、江戸川乱歩のすべての短編を網羅する全3冊。エンターテイメントとしては異例の、数十年という長きにわたって読み継がれてきた名作が一気に愉しめる。各巻に著者自身による作品解説つき。本巻は処女作『二銭銅貨』や明智小五郎の初登場作品『D坂の殺人事件』など、謎解き・本格もののなかから百枚以内のものを中心に収録した。
APPLE BOOKSのレビュー
「怪人二十面相」や「少年探偵団」シリーズなど数多くの代表作を持つ本格ミステリー小説の巨匠、江戸川乱歩の「江戸川乱歩全短篇(1) ――本格推理」。「二銭銅貨」や「D坂の殺人事件」といった、著者の原点ともいえる初期作品を含めた短編を収録。巧妙な計画殺人を推理していく「心理試験」では、連想診断法という心理的な捜査の手法を使い、ある言葉から連想される言葉を答えてもらうことによって、犯人の反応を分析。反応速度の秒単位による違いなど、微細な変化から真実を突き詰めていく。暗号文や変装など物理的なトリックのみならず、犯罪者の心理に深く迫りながら謎を解き明かしていく様子が痛快だ。二重三重にどんでん返しがある作品から、勘違いによって引き起こされる物語といったユーモアあふれるものまで、多彩なラインアップも魅力。日本における推理小説の先駆者として活躍し、時代を超えて親しまれる著者の名作ミステリーを収めた短編集。