怪人二十面相
発行者による作品情報
日本の探偵小説の巨星・江戸川乱歩が生んだ大怪盗「怪人二十面相」。20の顔を自在に操る変装の名人であり、狙うのは宝石や高級美術品。『怪人二十面相』は、そんな大怪盗と永遠のライバルである名探偵・明智小五郎、そして助手の小林少年が推理対決を繰り広げる「少年探偵団シリーズ」の第一作。講談社の前身である日本雄弁会発行の『少年倶楽部』誌上で1936(昭和11)年から連載が始まった。江戸川乱歩にとって初めての少年少女向け小説であり、けっして人を傷つけることはない「怪人二十面相」のモダニズムは、当時の子どもたちに圧倒的に支持された。乱歩は当初、モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」になぞらえて「怪盗二十面相」を想定したが、「盗」の文字が当時の少年雑誌倫理規定に抵触するとの理由で、「怪人二十面相」に変更したと言われる。