怪人二十面相
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4.2 • 193件の評価
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発行者による作品情報
日本の探偵小説の巨星・江戸川乱歩が生んだ大怪盗「怪人二十面相」。20の顔を自在に操る変装の名人であり、狙うのは宝石や高級美術品。『怪人二十面相』は、そんな大怪盗と永遠のライバルである名探偵・明智小五郎、そして助手の小林少年が推理対決を繰り広げる「少年探偵団シリーズ」の第一作。講談社の前身である日本雄弁会発行の『少年倶楽部』誌上で1936(昭和11)年から連載が始まった。江戸川乱歩にとって初めての少年少女向け小説であり、けっして人を傷つけることはない「怪人二十面相」のモダニズムは、当時の子どもたちに圧倒的に支持された。乱歩は当初、モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」になぞらえて「怪盗二十面相」を想定したが、「盗」の文字が当時の少年雑誌倫理規定に抵触するとの理由で、「怪人二十面相」に変更したと言われる。
APPLE BOOKSのレビュー
シリーズの1作目。変幻自在の変装術を誇る怪盗「怪人二十面相」と、どんな時も紳士的な私立探偵の明智小五郎が、粋で華麗な推理合戦を繰り広げる。乱歩がフランスの作家モーリス・ルブランによる「アルセーヌ・ルパン」シリーズに着想を得て生み出した怪人二十面相のキャラクターは、子どもの読者を想定したことから「血が嫌い」で、犯罪に乗り出す時には必ず予告をするという「みょうなくせ」を持つ。この個性によって怪人二十面相はただの悪党ではなく、独自の美学を持つ魅力的な存在となった。常に冷静沈着な明智小五郎は絶対的な信頼感を抱かせる大人であり、その傍らで優秀な助手として働く小林少年と彼の仲間たちが、子どもの視点に立ち、共感を与えていく。物語の合間には「読者諸君、ひとつ本をおいて、考えてみてください」などと思考を促す一節もあり、読者を傍観者で終わらせない仕掛けもたっぷり。正義と悪のどちらが勝つかではなく、いかに鮮やかに勝つかというスリリングな攻防は、時代を経ても色あせることはない。
カスタマーレビュー
面白い!
ミステリの王道。伏線回収がとても気持ちよく、とてもスッキリとした気持ちで読了出来た。初心者にも読みやすい本なので是非一度は読んで欲しい。面白かった!