沈黙
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- ¥610
発行者による作品情報
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
APPLE BOOKSのレビュー
江戸時代初期、島原の乱が鎮圧された後のキリシタン弾圧で棄教した実在の宣教師をモデルに、神と信仰の意義を描いた戦後日本文学の金字塔。1966年の刊行後、世界各国で翻訳され、同じカトリック教徒として同テーマの『権力と栄光』を先んじて書いたグレアム・グリーンも称賛した。マーティン・スコセッシ監督による2016年の映画版も評価が高い。日本に派遣されたイエズス会のポルトガル人司祭、フェレイラが拷問に屈して棄教したという報告がローマ教会に届いた。かつての弟子ロドリゴとガルぺは事の真偽を確かめるため、マカオで出会ったキチジローの案内で長崎に潜入する。2人は隠れキリシタンの日本人に歓迎され、潜伏しながら布教活動を行うが、やがて長崎奉行、井上筑後守の知ることとなり、日本人信徒は悲惨な殉教を遂げ、ガルぺも命を落とす。キチジローの裏切りで捕らえられ、残虐な拷問に遭う信徒を目にしたロドリゴは彼らを救うために棄教を迫られるが…。殉教者たちの苦悶(くもん)に応えず、なぜ神は沈黙を守るのか。厳格な父性を要求するカトリックと母性に根ざす日本。その矛盾に苦悩してきた作者が見いだしたキリスト像が、今なお色あせない永遠の名作。
カスタマーレビュー
沈黙とは
沈黙の意味が読んで初めて分かりました。信仰とは何か、考えさせられました。
一気に読みました。
新聞の記事を読んで興味を持って読みました。考えさせられるところがたくさんありました。
このレビューを開いた方へ
信仰ある人・持たない人関係なく読んで損はない本です。