火星に住むつもりかい?
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- ¥850
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発行者による作品情報
「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!
APPLE BOOKSのレビュー
幅広い層に人気の作家・伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい?」は、"平和" を守るために公権力が暴走する社会を舞台に、正義とは何かを問う一作。犯罪を未然に防ぐという名目のもと、危険思想を持った人物を取り締まる "平和警察" が設立され、犯罪が激減してゆく。しかし、それは市民が相互に監視・密告し、密室で拷問され、危険人物とされた人間は公開処刑される恐ろしい社会だった。"ここで生き抜くか、もしくは、火星にでも行け。希望のない、二択だ。" という状況の中で唯一もたらされた希望は、全身黒ずくめの謎のヒーローの存在。このヒーローは一体誰なのか? 伊坂幸太郎ならではの、張りめぐらされた数々の伏線がやがて一つにつながるストーリー展開の見事さに圧倒されるエンターテインメント作品。