鋼鉄都市
-
- ¥880
-
- ¥880
発行者による作品情報
警視総監に呼びだされた刑事ベイリが知らされたのは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件だった。地球人の子孫でありながら今や支配者となった宇宙人に対する反感、人間から職を奪ったロボットへの憎悪が渦まく鋼鉄都市へ、ベイリは乗り出すが……〈ロボット工学の三原則〉の盲点に挑んだSFミステリの金字塔!
APPLE BOOKSのレビュー
“第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない”で始まる、かの有名な「ロボット工学三原則」を生み出したアイザック・アシモフが、自らその原則の盲点をついたSFミステリーの傑作。世界各国に建設された“シティ”と呼ばれる鋼鉄ドームの中で80億もの人々が暮らす地球は、かつて宇宙へと植民した人々の子孫であり、突出した科学技術を有する宇宙人たちによる事実上の支配下に置かれていた。一見あらゆる自然現象から守られ便利で申し分のない環境のシティ。しかし、その実態はロボットのせいで失職者があふれ、人口増加のため食料は厳重な統制下にあり、エネルギー源のウラニウムも枯渇しつつあるなど、危ういバランスの上に成り立っていた。そんな中、ニューヨークシティ市警に勤めるベイリ刑事は友人である市警本部長から宇宙人殺害事件の捜査をロボットと行うよう命じられる。1953年に書かれた作品ながらも現代に通じるテーマも多く、今もなお古びることがない不朽の名作。鋼鉄都市の中で生まれ育ち、ロボットや宇宙人への憎しみで凝り固まっていた地球人たちが、再び宇宙に目を向けようとする姿がリアリティを持って描かれている。