セックス依存症
-
- ¥880
-
- ¥880
発行者による作品情報
不倫スキャンダルはなぜ繰り返されるのか?
彼らは「性欲モンスター」ではない!
セックスでしか満たされない人たちの実態とは。
□性的な思考や行動をしているとリラックスできる
□不安や孤独感をやわらげるためにセックスすることがある
□セックスの後、罪悪感や自責の念を抱いて落ち込む
□性的行動に時間をとられ、家族や友人をおろそかにしている
□最近、性的行動のせいで集中力や仕事の能率が落ちている
□性的関係を持つ相手を次から次へと変えている
□性的行動を隠すため、噓をつくことがよくある
……ひとつでもあてはまったら要注意!
不倫を繰り返して離婚、風俗通いで多額の借金、職場のトイレでの自慰行為がバレて解雇……度重なる損失を被りながらも、強迫的な性行動を繰り返してしまうセックス依存症。#MeTooムーブメントの引き金となった映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインも治療を受け、最近ではお笑いコンビ、アンジャッシュ・渡部建さんの不倫スキャンダルでも「セックス依存症では」?と憶測が流れた。
「セックス中毒」「性欲の強い変態」などと偏見を持たれがちだが、実は性欲だけの問題ではない。脳の報酬系に機能不全が生じて「やめたくてもやめられない」状態に陥ることに加え、相手への支配欲や満たされない承認欲求、過去の性被害や刷り込まれた性的嫌悪、「経験人数が多いほうが偉い」といった〈男らしさの呪い〉などが深く関わっているのだ。
2000人以上の性依存症者と向き合ってきた専門家が、実例をもとにセックス依存症の実態に迫るとともに、専門機関での治療や、ほとんど知られていない自助グループでの回復へ向けた取り組みを紹介。さらに性依存症の背景にある「男尊女卑」「性欲原因論」「家庭での性教育」といった社会問題を解き明かす。AV男優・森林原人氏との対談も収録。
【もくじ】
はじめに セックス依存症の疑いがある有名人
第1章 誤解だらけのセックス依存症 ――彼らは「性欲モンスター」ではない
●あなたは大丈夫? 性依存症チェックリスト
●「セックス依存症」という病名は存在しない
●セックス依存症は「性欲の問題」ではない
●性依存症者を治療から遠ざける「男らしさ」の呪い
●性被害に遭った女性が自傷行為的にのめり込む
●性的嫌悪があってもセックス依存症に陥る
●苦痛や孤独を一時的にやわらげてくれる「負の強化」 ほか
第2章 危険なセックスをやめられない人たち ――実例から背景を読み解く
●実例(1) 強引な性行為に及んでしまう ~認知の歪みと承認欲求~
●実例(2) 不特定多数とのセックスがやめられない ~過去の性被害と依存症~
●実例(4) クリニックの外で性行為に及ぶ ~空虚感に耐えられない~
●実例(5) 強迫的な自慰行為にのめり込む ~童貞・処女の性依存症~
●実例(7) オンラインセックスへの耽溺 ~コロナの時代のセックス依存症~
●実例(8) 親の過干渉から生まれる性的嫌悪 ~見えない虐待「優しい暴力」~
●実例(10)「かわいそう」な息子と関係を持つ母親 ~障害者と性的虐待~ ほか
第3章「性的しらふ」を求めて ――セックス依存症の治療:医療機関と自助グループ
●性依存症は「治る」のか?
●医療機関での性依存症の治療
●依存症の回復に欠かせない「自助グループ」の存在
●性依存症の自助グループ「SA」と「SCA」とは?
●ミーティングの指針となる「12のステップ」
●マスターベーションしないと性欲が溜まって危険?
●再発は回復のプロセス? ほか
第4章 依存症当事者に聞く自助グループの内側 ――「底つき」から回復への道筋:ミラクルさん(仮名)の場合
●危険なセックスに耽溺、HIV陽性で依存症クリニックへ
●「機能不全家族」と依存症の関係は?
●マスターベーションは意外とやめられる
●セクシュアルマイノリティや女性と自助グループ
●依存症者同士の恋愛は共倒れになりやすい
●回復への道筋「セクシュアルリカバリープラン」
●セックスレスとの向き合い方 ほか
第5章 性依存症の背景にある社会問題 ――性欲原因論、男尊女卑、性教育とアダルトコンテンツ
●「男性は性欲がコントロールできない生き物」は間違い
●日本は「男尊女卑依存症」社会
●求められるのは家庭での性教育
●父親が性について子どもに語る言葉を持っていない
●「AVはフィクション」だとちゃんと伝える
●加害者臨床の場でも問われる「性的同意」の重要性
●依存症回復のカギは自己肯定感より「自己受容」 ほか
第6章 AV男優・森林原人と語る そもそも「性欲」とはなにか? ――幸せなセックス、依存症のセックス
●僕もセックス依存症だったかもしれない
●「首絞めて」男尊女卑を内面化した女性の性欲
●性欲は「条件付け」と「学習」でアップデートされる
●アイドルの追っかけを生きがいにして痴漢をやめた人
●VRやセックスドールは性依存症の抑止力になるか?
●一般人よりはるかに厳格な撮影現場の「性的同意」
●僕を救ってくれたセックスの幸福感や悦びを伝えたい ほか
おわりに 弱さを知ることが、やめ続ける強さに変わる
カスタマーレビュー
日本人全体の認知バイアスを正す本
タイトルからは想像できないほど、真剣な臨床と依存症への考察が響く本。この本を切り口に依存症という全ての人がなりうる問題を内省したい。良書