あなたが遺したもの
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発行者による作品情報
短編集「家庭恐怖コレクション」の第5話。後藤紀美子(47)が、かつて義母だった橘澄枝(72)と乗り換え駅で偶然、再会する印象的なシーンで本作は幕が開く。九年前、紀美子は大学の同期だった夫を、澄枝にとっては長男の夏輝を心筋梗塞で亡くすという痛ましい過去を共有していた。一級建築士として活躍し、建設会社の管理職の地位にある紀美子は独身のまま。澄枝は、夏輝の妹である弥生とその夫、孫二人と同居していた。離れ離れになったはずの二人の人生に思わぬ交点が生じて……。
新津きよみ(にいつ・きよみ)
長野県生まれ。青山学院大学を卒業後、旅行代理店勤務などを経て、1988年に作家デビュー。巧妙な心理サスペンスや、日常に根ざした質の高いホラーに定評がある。短編の名手としても名高く、数多くのアンソロジーに作品が収録されている。映像化作品に『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など。近刊に、『二年半待て』(徳間文庫大賞2018)『シェアメイト』『誰かのぬくもり』『夫が邪魔』などがある。