



天子蒙塵 1
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4.1 • 13件の評価
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発行者による作品情報
さまよう溥儀。
紫禁城を追われた最後の皇帝(ラストエンペラー)は、日本の庇護下に。
混沌の中国で天命を、龍玉を抱く者は誰か。
累計590万部!
「蒼穹の昴」シリーズ第五部、堂々開幕!!(全4巻)
1933年春。
父の築いた国と軍を失った張学良は、欧州へ向かった。
清朝最後の皇帝・溥儀は「満洲国」の執政となっていた。
北京では前の大総管太監・李春雲が、一人の女性の許を訪れる。
紫禁城を去ってからの溥儀がいかにして生きたか、
その証言者は史上はじめて皇帝を離婚をした、元皇妃であった。
APPLE BOOKSのレビュー
日本近代史の転換点となった、満州事変に翻弄(ほんろう)される人々を描く歴史大河。国民的ベストセラーであり、浅田次郎のライフワークともいえる大長編『蒼穹の昴』シリーズの第5弾だ。清朝末期から始まった物語は、清滅亡後にラストエンペラーとして日本軍に保護された、溥儀を傀儡(かいらい)皇帝とする満州国へと舞台を移す。天津で復権を夢見る溥儀に対して、異なる判断を下す正室と側室。そんな溥儀を操り、大陸進出をもくろむ日本の軍人たち。そして日本軍によって父張作霖を爆殺され、満州事変で国を追われた張学良は、アヘンに冒された自分を見つめ直し、イタリアで再起の道を模索する。それぞれの思惑が絡み合う中で、清の滅亡を目の当たりにしてきた李春雲と家族たちは、どう歴史に関わっていくのか。史実にフィクションを織り交ぜながら、卓越した筆致ですべての登場人物が生き生きと描かれる。激動の時代に生きた人々の血と汗、大陸の風や砂塵までが感じられる力作。